これを知っていれば助かる!!検査値の読み方【肺炎編】

前回は検査値の読み方【呼吸不全編】をお届けしました!
そして今回は肺炎に関する正しい検査値の読み方です!

肺炎はまずどこをみるのか

「肺炎はまずどこをみるのか」それは血液検査値です!

肺炎は血液検査をすることで判明します!
ではどの項目をみればいいのか、基準値はいくつなのかをご説明させて頂きます!

これを知っていれば助かる!!検査値の読み方【肺炎編】

肺炎が疑われる際の検査

まず肺炎が疑われる際は、問診と胸部レントゲン、血液検査を行います。
問診で症状を細かく把握し、ウイルス性の疑いがある場合は血液検査を行っていきます。

大半の肺炎はレントゲン撮影と血液検査で診断するので血液検査の数値からも異常を見つけ出すことが可能です。
ですが、全ての肺炎が血液検査でわかるわけではありませんので異常がない=肺炎ではないということではありません。

今回はそのようなことも含めてお話させて頂きます!

肺炎が疑われる際の検査

異常なしかどうかの判定をする検査項目

まず異常なしかどうかの判定をする検査項目は、3つあります。

  • 白血球数の増減による数値での判断
  • 体の中で炎症が起きているかどうかの数値での判断(CRP)
  • 正常に酸素が肺に行き届いているかの数値での判断(SpO2)

他にも判断するための数値がありますが主にこの3つを見ることで異常を見つけることができます。
ではどのような数値であれば正常でどのような数値であれば異常なのか見ていきましょう。

白血球数の基準値

白血球の基準値は3500~9700/μlです。
白血球の数値を見ることで肺炎の原因が感染症なのかどうかを確認します。
もし感染性の肺炎であれば白血球の数値が上がり炎症を起こしているサインとなりますのでしっかりと確認しておきましょう。

CRP(C反応性蛋白)数の基準値

CRP(C反応蛋白)とは炎症が起こると肝臓で合成され、血液中に増加してくる蛋白質で基準値は0.3/dl以下となります。
また肺炎では炎症が起こっているかではなく、どのくらいのスピードで上昇しているかも重要となります。 通常は炎症が起こると分泌されるものですのでこの数値でわかることは多いですが、場合によってはこの数値が反応しない肺炎があります。
それがマイコプラズマ肺炎やクラミジアによる肺炎です。
こういった一般的な細菌とは異なる細菌の場合はCRPの数値は上昇しません。ですので肺炎の疑いがあるにも関わらずこの数値が上がっていない時は抗体検査で確認する必要があります。

SpO2(経皮的酸素飽和度)の基準値

最後にSpO2(経皮的酸素飽和度)の基準値です。
SpO2の基準値は約95~98%になります。痰で肺胞が詰まり、動脈血への酸素の受け渡しができなくなり、低下していきます。
また肺炎の症状の一つである咳だけでも低下するので、元々呼吸器に問題のある方の場合は、咳をする時に使われる力が強い為効率よく酸素が吸入できず、咳をするだけでも低下していきます。

肺炎が疑われる時の検査

肺炎が疑われる時は

  • 胸部レントゲン
  • 胸部CT検査
  • 尿検査(腎機能障害、細菌の確認)
  • 痰検査

も同時に行いますので全ての結果を比較して肺炎とその原因を判断しましょう。

肺炎は今になっては重病として扱われることが少なくなりましたが、昔は命を落としかねない病気として扱われてきました。
肺炎の症状をしっかりと読みとる事で新たな病気が発見されることもありますので、このお話が皆様のお役に立てればと思います!

このページの復習はこちら!
新人ならこれは知っておいた方がいい?カルテの読み方【テスト編】

バックナンバー
カルテの読み方【基本編】
検査値の読み方【心不全編】
検査値の読み方【呼吸不全編】
検査値の読み方【肺炎編】


nas nus(ナスナス)は看護師・看護学生のための就職情報サイトです。
求人は総合病院や大学病院などの種類や規模などを指定して検索できます。

ほかにも、求人だけでなく、コラムやイベント情報、電子パンフレットなど就職に役立つ情報をたくさん掲載していますので、以下のサイトからぜひご覧ください。

https://www.nasnus.com