九州 / 大分県 / 大分市千代町3-2-37 大分赤十字病院 (日本赤十字社)
より良い手術室を作っていけるように
大分赤十字病院 (日本赤十字社) 九州 / 大分県 / 大分市千代町3-2-37 甲斐 登志枝
役職
認定看護師
卒業校
看護学校

<手術看護認定看護師>

手術室看護師として25年間勤務していました。
今後「ジェネラリスト」か「スペシャリスト」か…などと自身の立ち位置を考えていた時、師長さんに「経験が長いことを強みにしたら」とアドバイスを頂きました。
戸惑いもあったのですが、今まで築いてきた25年間を武器にして、一歩進んでみようかなと「手術室看護認定看護師」を目指すことにしました。
それまでは「スペシャリスト」なんで荷が重いのでは…と感じていたんですよ。
不安もあったのですが未知の世界に飛び込んでみようと思って挑戦しました。

資格取得の学校へは2018年の10月から2019年の3月まで通っていました。
その間も大分赤十字病院からの給料保障はあったので、金銭面では不便はありませんでしたね。
関西の医科大学に通っていたので、その間は寮生活。周囲からは「すごく大変だよ!」と聞いていたのですがやっぱり大変でした(笑)
常に課題があり、追われていました。グループワークの課題が多く、個人では進められないので、グループメンバーと講義が終わっても学校に残り、みんなで調べ物をしたりしていました。
ハードではありましたが、学生時代のクラスのように年代も別々のみんなが仲良くなり、その半年間はとても貴重な時間でした!他病院の看護師とも親しくなり、それぞれの病院の取り組みが知れたのもよかったですね。

資格を取得し、病院へ戻ってくると以前よりも相談されることが増えました。
学校で学習してきたこと以上の沢山の事柄が日々起きるので、課題や問題に直面したときに、学んだことをベースに乗り越えて行くんだなと感じています。本当にこれからなんだなと。

今後取り組んでいきたいと考えていることは2つあります。
一つ目は「術前外来」です。
手術を受ける患者さんを術前に医師が診察をして、同時に看護師もアセスメントを行っている病院や、
看護師のみで取り組んでいる病院もあります。
手術のスパンも短くなっている近年なので、手術当日にはじめてお会いするなどのケースを回避する目的もあり、取り入れていきたいですね。手術の体位や、リスクアセスメント、身体的なアセスメントや、患者さんとお話することによって心理的な負担軽減にもなれば良いかなと思っています。
一回お顔を見ていたら二回目お会いした時、顔見知りがいることは安心に繋がりますので。

二つ目は認知症の患者さんやご家族が安心して手術を受けられるようなサポート体制を取ることです。
手術看護の学会に参加した際、「ユマニチュード」を考案したフランスのイヴ・ジネストさんの講演を聞きました。
ユマニチュードとは、認知症の方への接し方についてなのですが、「見る」「話す」「触れる」「立つ」などの行動を大切にし、その方を尊重し、安心感を与える看護の一つの考え方です。
手術を受ける認知症の方も増え、戸惑う場合が多かったので、ジネスト氏のお話は刺激的でした。
例えば認知症の方がいらっしゃれば、お話をするのは25cmの位置で正面から語りかけ、
その時にコミュニケーショをとる人と何か処置をする人は別が良いそうなんです。
コミュニケーションをする人はそれだけに集中し、きちんと患者さんの視野に入ることが大切だと感じました。
同じタイミングで認定の資格を取った、認知症看護認定看護師も在籍しているので、今後は院内で協力しながら進めていき、看護をもっと良くしていきたいですね。