関西 / 大阪府 / 大阪市北区中之島5-3-20 住友病院
たとえ集中治療室でも「その人らしい生活」が必ずある。そのお手伝いがしたいんです。
住友病院 関西 / 大阪府 / 大阪市北区中之島5-3-20 蔭山 陽子
役職
認定看護師
卒業校
看護学校

<集中ケア認定看護師>

集中ケア認定看護師の役割は、重症かつ集中治療を必要とする患者様とその御家族への看護と、重症化の予防と早期発見です。
集中治療室で勤務することが多いのですが、病棟の患者様や看護師さんたちのフィジカルアセスメントを強化していくことで重症化の予防と早期発見に繋がるのではないかと考え活動しています。
現在は、週に1回、全病棟をラウンドしています。
その中で、重症化すると死亡率が高い敗血症の早期発見のために、看護師がどの程度、呼吸回数を測定できているか定点調査を行い、敗血症の怖さや呼吸回数を測定することの重要さを伝えました。
当初は思うような数値ではなかったのですが、啓蒙活動を行っていくうちに、約8ヵ月かかりましたが、93%の確率で呼吸回数が測定できるようになっていました!

スタッフと一緒にアセスメントしながら看護を行うことによって患者さんがすごく楽になったと言って頂けることが増えています。
それをスタッフが感じ取って良かったなと思ってもらえるのは大きなやりがいの一つですね。

多職種の繋がりも深くチーム医療も進んでいます。
私は呼吸ケアサポート委員会と言って、人工呼吸器をつけている患者さんの早期離脱を目指すために医師や看護師・薬剤師、臨床工学士・理学療法士・栄養士・歯科衛生士など他職種の方々のチームに所属しています。
自分の分野の専門性を生かして、指導や提案をしてくださり、年々重症化もしていてなかなか離脱もできない患者さんの問題の明確化・アプローチ方法の検討、評価、という一連の流れがしっかりと構築されていています。メンバーそれぞれが尊重しあい、刺激し合い、患者様視点でのチーム医療が行えていると思っています!
認定看護師としての目標は、スタッフのみなさんがフィジカルの視点を持って看護ケアを提供していけるよう看護部全体がなればいいなと思います。

ナイチンゲールが「住環境を整える…」ことの大切さを述べていますが、本当に大事だなと看護を重ねれば重ねるほど思うようになりました。
生理的欲求を満たすことに重きを置くと、看護師がいかにそれを感じ取って、表現し、患者さんに返していけるかは重要です。
フィジカルとなると身体診察のように思われるのですが、加えて心も読み取って患者さんに返していけるような看護が提供していきたいですね。
集中ケアとはどうしても患者さんの生死に関わることが多いので、最初は「住居や心よりも命」という思いが強かったのですが集中治療室であってもいかに患者さんが安楽に過ごせるか、いかに「その人らしく」過ごせるかと考える機会が日々あり、今にたどり着きました。
まだまだ学ばなくてはいけないと思っています。
 
私は新人のときから集中治療室勤務だったのですが、印象に残っている患者さんがいらっしゃいます。
その方は気管切開をされていて、私に何かを訴えられるのですが全然わからなくて泣いてしまいました。その時の先輩が「泣く時間があったらこの人に何ができるか考えなさい」と。
さらにオロオロしていると、私に指導している先輩を見て患者さんが「もう言ってやるな」と口を動かされました。自分が生死をさまよっているのにそれを私のことまで考えられるってすごい人だなと感じました。
「あぁ患者さんに応えていきたい」と自然に思ったのが看護観の原点なのかもしれません。

また先輩に言われたこともよく覚えています。
「蔭山さんはやることがすごく遅い」とおっしゃった後、「でも、マザーテレサはどんなにたくさんの事をしたかということではなく、どれだけ心を込めて出来たかが大事だと言っていたよ。だからあなたはたくさんの事が一度にできなくても一つひとつ、心を込めてやりなさい」と指導してくださいました。ちょうどその時に先ほどの患者さんとの出来事もあり「心をこめた丁寧な看護」の基礎が今につながっています。

住友病院の看護部は、個別性をとても大事にし、それを引き出してくださいます。
新人さんも途中から仲間になっていく方も、自らの感性を伸ばし、患者さんに温かく向き合った看護をしていってほしいです。またそれが叶う病院であると思います!

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住友病院 看護部HPからお問い合わせください。
http://www.sumitomohp-ns.jp/