大分赤十字病院(日本赤十字社) | ナスナス 看護師・看護学生のための就職情報サイト
九州 / 大分県 / 大分市千代町3-2-37

大分赤十字病院 (日本赤十字社)

総合病院 300床以上500床未満
診療科目
呼吸器内科消化器内科循環器内科腎臓内科肝・胆・膵内科糖尿病・代謝内科神経内科外科整形外科脳神経外科消化器外科血管外科歯科口腔外科救急科小児科泌尿器科リウマチ科放射線科病理診断科麻酔科皮膚科歯科矯正歯科眼科産婦人科リハビリテーション科腎・泌尿器センター肝胆膵センター
赤十字の国際派遣要員として
大分赤十字病院 (日本赤十字社) 九州 / 大分県 / 大分市千代町3-2-37 若林 薫
役職
経験3年目以上
卒業校
富山赤十字看護専門学校
私は赤十字の国際派遣要員として、2015年8月から2016年2月までの半年間、フィリピンに行っていました。
国際派遣要員を目指したのは、まだ私が小さいときに難民についてのテレビ報道が多く流れていて、救援活動に行く人の姿を見ることも多く、「私も将来あのように仕事をしたい」と思ったのがきっかけでした。
中学生の時保健の先生に、どうしたら国際活動ができるようになるのか尋ねてみたところ、「看護師になれば国際看護師という道がある」ということを教えてくれました。看護師になりたいと思ったのはそれからです。

しかし、「看護師になりたい」と両親に打ち明けると、頭から反対されました。看護師がだめなら言語力を生かして、JICAなどの機関から国際的な活動が出来る道を目指そうと思い語学の勉強を続けました。語学を生かした仕事にいくつかチャレンジしてみたものの、「自分のやりたいこととは何か違う」という思いがぬぐいきれませんでした。最終的には自分の原点となった看護師の道に、やはり進みたいと思い、35歳で看護学校を卒業し、現在に至ります。

フィリピンでは、保健活動が主な仕事で、対象となった地域に病院もなく、水を溜める施設などもありませんでした。
小さな診療所が都に1つあるだけで、医師は群に一人だけ、保健師1人、看護師二人、あとはボランティアの方々が手伝って保健活動を支えているという状況でした。
そのため、体調が悪くても、すぐに病院にかかることができないというのが現状です。そういった現状を踏まえ、派遣要員たちは、現地の人たちが自分たちで健康を守っていけるように、衛生管理指導や栄養指導等を行っています。例えば、小学校に手洗い施設をつくり、手洗い指導を行ったり、住民の皆さんに健康教育を行うなどといった内容です。

現在、この支援事業を実施している地域では、3年ほど前から子どもたちに栄養指導を行っており、その結果、子どもたちの栄養状態が短期間で著しく改善されたということで、表彰も受けました。私の任務中は、デング熱が流行していたため、デング熱の予防指導も併せて行いました。

日本でも幼稚園や小学校で、歌に合わせて手洗い指導を行ったりしますが、フィリピンでも同じように指導されています。私も、子どもたちがよく知っている歌に合わせて手洗いの仕方を教えました。現地の子どもたちも、手洗いの方法は知っているのですが、実際にはできないのです。というのは、安全な水、飲める水が少なく、水がとても貴重で、手を洗うために使える水が少なく、手洗いの実践ができないためです。
水道はまだ各家庭に普及しておらず、地下水を手押しポンプで汲み上げて使用しています。その地下水も、安全なものかどうかはわかりません。手押しポンプの近くにトイレがあったり、家畜を飼ったりしていることも多いため、地下で汚染されている可能性が高いのです。そのため、子どもたちは、手を洗う方法を知っていても、実際に手洗いをすることができず、感染症も減らせないという状況におかれているんです。
過去3年間の同事業の中で、対象地域の各小学校に手洗い施設がつくられたのですが、実際に見に行くと、貯水タンクがなく、水道管が繋がっていない、蛇口を何者かに盗まれていて使えないなどといった状態で、実際に機能している施設は残念ながらごくわずかでした。今後は貯水タンクの設置や、各学校での管理を強化してもらうなどの対応を事業の中に組みこんでいく方針です。

各事業は事前に計画が立てられており、その進行を管理するのも私たちの仕事の一つです。
また、各事業は3年ほどのサイクルで一定期間行われますが、それが終わると派遣要員は日本に引き揚げます。その後も、生活を続けていくのは現地住民の方々ですので、事業が終了したあとも、現地の皆さんが、事業を通じて得られた知識や技術を主体的に実践していけるように支援していくのが私たちの派遣要員の大切な役割だと思っています。

国際派遣活動の中で、自分が携わるのはごく短期間であり、現地の生活習慣や国の経済的な事情などもあり、自分の任務中に、目に見えて状況が大きく改善するという所までには至りませんが、私たちが持っている知識や技術を現地の皆さんと共有することで、これから先、住民の皆さんが自分たちの健康を守る方法を身につけ、未然に病気を防いだりできるようになり、生活が少しずつでも改善されれば、こんなに嬉しいことはありません。
自分はそのための小さな種をまいてきたと思っています。いつかその種が芽をだし、結実することを願っています。
今回、このようなかたちで誰かの役に立てる仕事に関わることができて、本当によかったと感じています。

病院概要

所在地 〒870-0033 大分県 大分市千代町3-2-37
TEL 097-532-6181
FAX 097-533-1207
病床数 340床
診療科目 呼吸器内科消化器内科循環器内科腎臓内科肝・胆・膵内科糖尿病・代謝内科神経内科外科整形外科脳神経外科消化器外科血管外科歯科口腔外科救急科小児科泌尿器科リウマチ科放射線科病理診断科麻酔科皮膚科歯科矯正歯科眼科産婦人科リハビリテーション科腎・泌尿器センター肝胆膵センター
看護配置基準 7対1
救急指定 2次救急
URL http://www.oitasekijyuji.jp/

バス ・JR「大分駅」前から大分交通バス(新川経由行き)に乗車、「日赤病院前」で下車 徒歩3分