vol.11 相模原協同病院看護部長 大塚 孝子
新しくなる病院で、みなさんと良い看護を

急性期病院でもあたたかい雰囲気があります。

相模原協同病院は地域に根差した病院で、アットホームな雰囲気があります。
スタッフのためのイベントも定期的に行っていて、職員はもちろん、ご家族を無料で映画館にご招待したりしています!
ワンシアターを貸切っての上演は毎回大好評ですよ。
他には新年会や一泊二日のバス旅行、…と、季節ごとにイベントがあります。
普段は同僚としての付き合いですが、このような機会があると、違った職種の人たちとも顔を合わせます。
今チーム医療が大切にされているので、そういった部分でも一役かっていますね。
やはり急性期の病院ですので、一旦経過が良くなっても、継続して治療が必要な方々と多く関わります。その中で私たちが考えることは、ご自宅に帰った時に生活に困らないこと。
心がすごく弱っていらっしゃる患者さんやご家族に対して、看護師の言葉かけや思いを吐き出していただくことは、看護師だからこそできるところだと感じています。そのことが、急性期看護の魅力にもつながるのかなと思います。

人の心に寄り添う、素晴らしい職業

まだ私が師長の頃、20代の若い男性が入院されてきました。
その方は、2~3週間前までは普通に会社員として働いていたのですが、具合が悪くなって入院をして、あっという間に食事が摂れなくなりました。
いつも寡黙であまりご本人から話をされない方だったのですが、ある日「師長さん、僕ね、コーヒーが好きなんですよね。」とポツリと話されたんです。
ちょうどその病室からスターバックスコーヒーが見え、「僕、スタバの裏メニューが好きで」と。
そこで『この方をスタバに連れてゆく』計画を急遽立てました。その方のお父さんにお願いをして車を出していただき、お店への協力要請などをし、日勤のスタッフに声掛けして勤務終了と共に出かけたのです。
今考えれば、安全面にもっと配慮すべき点があったのかもしれませんが、その時の彼の得意そうな満面の笑みで話す姿を見て、私たちは嬉しくなって。
今でも、その一瞬、患者さんと一緒にキラキラしていたなという記憶が鮮明に焼き付いています。すごく思い出深い出来事でした。
看護って人の気持ちに「寄り添う」ことが大切。
私自身もその言葉が好きなのですが、業務を行うだけで精一杯になってしまう時があります。「自分はこんなことをする為に看護師をやっているんじゃない!」と感じてしまう場面もあるかもしれません。
でも、看護師として人の心に触れあえるのは格別の仕事だと、いつの日か分かるようになる日が必ずくると思います。

専門性を持ち寄り「看護師専門外来」を開設

看護部では、専門看護師や認定看護師、また新しく特定行為看護師も輩出し、専門性を高めています。
そういったメンバーの力を合わせ、現在、『看護師専門外来』に取り組んでいます。
看護師専門外来では予約を頂いた患者さんに看護師が1時間ゆっくりとお話を伺ったり、ケアの仕方や指導をします。
大学病院には多いと思いますが、このような中核病院の試みはまだそんなに多くはないですね。患者さんの生活をよく知っている看護師だからこそ、患者さんが困らないように、適切な指導やアドバイスができるため、患者さんの満足度もすごく高まっています。

資格取得に強い病院

新人さんにはプリセプター制度をとり、教育カリキュラムもしっかりと組まれていますが、
中途採用者に対してもきめ細かなフォローを行いたいと考えています。
例えば、資格を取ることに対してバックアップ体制を病院全体で整えていますので、キャリアアップしていく看護師がたくさんいます。
患者さんのために安全性を考えながら、しっかりと質の高い看護を提供できるスタッフを増やしていきたいと考えています。

看護学生さんへ

看護師にはそれぞれに『看護師になりたい!』と思ったきっかけがあると思います。
そのために様々な勉強・実習を行うわけですけど、成功ばかりではなく、失敗することだってありますよね。
それが一つの糧になり、悪かった部分を振り返り、次に繋げる。そういうことがすごく大事なのではと思っています。成功することだけがゴールではなく、自分が目指したきっかけを思い返し、『目標に近づいていくためには、どうすればいいのか』と常に考えることが重要なんじゃないかなと。
失敗すれば、人は強くなりますから!そういう人たちと一緒に働いていきたいなと思います。
看護師にも沢山の個性があります。
例えば急性期に向いている人、ゆったりした慢性期に関わっていたい人。求人情報には良いことしか書かれていません。ですから実際に病院に来て、感じ、職場の雰囲気を確かめて頂く。その中で、ここでなら自分の性格や、持っているものと合うな、という落としどころを見つけてほしいと思います。自分らしく働くためには、実際に見学することが大事だよといつも言っています。

2020年12月頃には新病院として生まれ変わります!
いずれは条件をそろえER型の超急性期の病院を目指す構想があります。
急性期に関心がある方とぜひ一緒に看護を実践していきたいと思っています。
新しい病院は、すごく広大な土地で10ヘクタールくらいあるそうなんです。
周辺の緑豊かな土地柄を活かした作りになるようで、とても楽しみです!山に囲まれた、眺めもいい場所で、皆さんには自分の目指す看護を極めて頂きたいと思っています。