意外と管理が難しい?ドレーンの種類と管理の仕方part1

体内に貯蓄した血液や膿、浸出液を体外に排出するドレナージ。
その際に使用される管を「ドレーン」といいますが、このドレーンは様々な種類があり、場合によっては患者さんに複数のドレーンを装着することもあります。
そうなると管理が大変ですよね・・・
本日はそんなドレーンの種類と管理の仕方をお伝えしていきます!

意外と管理が難しい?ドレーンの種類と管理の仕方part1

ドレーンの種類

まず原理の違いによる「受動的ドレナージ」「能動的ドレナージ」に分けられます。
この違いは

受動的
重量・毛細管現象・サイフォンの原理等陰圧を使用しない。その為排液バックが必ずドレーンの留置部よりも低い位置に置かなければいけない。

能動的
機械や風船等の力を利用して陰圧をかけ排液を促します。
その中でも持続吸引と間欠吸引があり、持続吸引は主に胸腔ドレナージで使用される低圧持続吸引器、手術創にドレーンを留置し接続した排液バックに陰圧をかけるウーンドサクションに分けられます。

また目的によっても使用するものが異なり

  • 感染の危険性が予想される場合に行う【予防的ドレナージ】
  • 浸出液や膿などの貯留によって初滅や臓器不全を引き起こしている場合に使用する【治療的ドレナージ】
  • 術後の出血量の確認や、縫合不全、消化液の漏れの早期発見を目的とした【情報的ドレナージ】

があり、目的により使用方法が異なります。

こちらと同じく、排泄方法に関しても下の3つに分けられ

閉鎖的ドレナージ
チューブに排液バックを接続して閉鎖空間を作り、逆行性感染のリスクを低くします。
排液量の測定が正確にできるなどのメリットはありますが、排液バックが身体に繋がっている為管理には注意が必要です。能動的ドレナージ、受動的ドレナージ両方使用可能。

開放式ドレナージ
腹圧や毛細管現象を利用した排液法で、ドレーンが体表から3~4㎝出た状態で体外へ開放されています。その為動きの制限自体はありませんが、逆行性感染のリスクがあり、固い素材が多い為挿入部に組織障害を起こす可能性があります。

半閉鎖式ドレナージ
開放式ドレナージにオープントップ型パウチを貼り、外界と遮断させた状態です。

このように原理や用途、排液など様々な種類のドレーンがあるので状態により最適なものがどれなのかを判断できるようになれば素晴らしいですよね!!

ドレーンの形状

ドレーンの形状には大きく分けて4つ【フィルム型】【チューブ型】【サンプ型】【ブレイク型】があります

フィルム型

フィルム型は多穴型やペンローズ型があり、主にペンローズ型がよく使用されます。
毛細管現象を利用するため、ドレーンの壁に多数の穴や溝があるのが特徴です。
サイフォンの原理と一緒で太い管よりも細い管の方が少ない力で流れていくのと同じ原理ですね!
開放式ドレナージに使用され、素材も柔らかい為患者さんへの負担は少ないですが、内腔が閉塞しやすいというデメリットがあります。

チューブ型

チューブ型はプリーツ型・単孔型・平型などがあり、そのうちデューブル型とプリーツ型は毛細管現象を利用し排出を行います。
この二つは内腔に小孔があり排液が良好になるよう工夫されておりフィルム型とは違い閉鎖式ドレナージを使用するため内腔が閉鎖しにくくなります。

サンプ型

サンプ型は内腔が2腔・3腔などの多重構造になっている為、吸引圧をかけてもドレーンの先端が周辺組織を吸着することがありません。
このドレーンでは大量の消化管液を身体の深部から吸引して排出することができる反面、サンプ効果があり、空気が逆流することで逆行性感染のリスクがあります。

ブレイク型

最後のブレイク型は3つのドレーンとは異なり4つの吸引溝で構成されています。
内腔がない為閉塞しにくく、広範囲のドレナージに向いています。

いかがでしたでしょうか?
ここまでドレーンの種類をご紹介しました!
管理方法はまた次回にお話しさせて頂きます!


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