バイタルサイン測定のポイント

バイタルサイン測定のポイント

看護学生として実習に出る際、必ず行うのがバイタルサインの測定。いくら学生同士で練習していても、 実際に患者さんを目の前にすると緊張してしまうものです。実習でのバイタルサイン測定の流れについておさらいしておきましょう!

Point.1 情報収集(既住、現病、これまでの測定値)

まず既往歴や現病歴からバイタルサイン(体温・脈拍・呼吸・血圧)に影響するものがないか情報収集をします。

感染症、高血圧や不整脈など循環器系疾患、呼吸器系疾患などの有無、また術後や発症直後など病期を確認します。

また、測定部位を限定する糖尿病のシャントや点滴、麻痺の有無と部位、程度を確認する必要があります。

これまでのバイタルの変化を見て、患者にとっての「いつもの値」と疾患による影響を考慮し、目安とします。

Point.2 何を、いつ、どの様に測るのか?イメージが大切!

どんな病棟でも日常測定するバイタルサインは体温・脈拍・血圧ですが、 実習では呼吸数、状態に応じてSpO2や意識レベルも確認します。1日の測定回数やタイミングは患者さんによって異なります。

また体位や環境、食事や排泄のタイミングによっても変化します。何を、いつ、どのように測るかには必ず根拠があります。

言われたから測定するのではなく、根拠を考えて臨みましょう。不安があれば日頃の測定方法についても必ず確認しましょう。

Point.3 準備が肝心!ベッドサイドに行く前の最終確認

体温計、秒針のついた時計、血圧計、聴診器、腕枕(仰臥位の場合は不要)を用意します。

ベッドサイドに行く前に必ず動作を確認します。特に水銀血圧計はコックを開いて水銀柱の上端や途切れを確認し、 マンシェットを丸めて実際に送気球から空気を送り込み、ノブの開閉による水銀の上下を確かめます。

ベッドサイドに行ってから忘れ物や不具合に気付くことのないよう、チェックリストを作っておくのも良いでしょう。

Point.4 いよいよ測定!全身状態もしっかり観察

患者さんの負担が出来るだけ軽く、かつ測定値に影響を与えない方法で測定します。

点滴の部位などがカルテとは変わっていることがあるので、患者さんの状態を再度よく見て測定を始めます。

安定した体位を調えて体温計を腋窩に挟んでもらい、脈拍を取りながら呼吸数を測定し、最後に血圧を測定するのが一般的です。

小児の場合には患児の抵抗が少ない順に呼吸、脈拍、体温、血圧と測定します。全身状態も同時に観察することを忘れずに。

Point.5 記録は正確に!書き間違いは厳禁です!

当然ですが測定した数値は見やすく、間違いのないように記録することが必要です。

しかし、緊張のあまり数値を忘れないようにとメモ帳に慌てて書き込むと、汚い字で読み違えたり、 どのページに書いたか分からなくなったりすることがあります。メモ帳に書く時には、分かっていても日付と時刻、 数値と単位を必ずセットで書くようにしましょう。

Point.6 数値は評価してナンボ!より良いケアに活かす

数値が一般的な基準値と比べてどうかだけでなく、「その患者さんにとってどうか」を評価します。

つまり既往や現病、疾患の状態、他の客観的情報(O)や主観的情報(S)、生活パターンも考慮します。

またその数値によって患者さんの疾患の状態を把握し、ケアへの影響も検討します。

例えば発熱により入浴を清拭に変更することもあるかも知れませんね。数値がおかしいと思ったら、 迷わず患者さんにもう一度測定させてもらうことが大切です。

Point.7 報告する時は素早くハッキリと!

緊張の瞬間、看護師さんへの報告です。忙しそうに見えるでしょうが、大切な情報ですのでめげずに 何度でも声をかけましょう。早いうちに報告した方が不足している視点やこの先のケアに関するアドバイスももらえます。

報告する際には、数値をはっきりと伝えることはもちろん、数値に対する自分の評価についても添え、 「私はこう思うのですが、いかがでしょうか」とアドバイスをもらいましょう。

スムーズに測定することが大切

患者さんの負担を最小限にし、正しい値を得るためには、出来るだけスムーズに測定することが大切です。

たかがバイタル、されどバイタル。どんな場面でも、どんな患者さんでも正確に測定できるようになるためには、とにかく経験を積むことです。

最初から上手に出来ないのは当たり前!でも開き直るのではなく、出来ないなりにとにかく根拠を考え、 イメージトレーニングを重ね、実際の現場で看護師さんの技術をよく観察しましょう。

実習のチャンスをどう生かすかは、あなた次第です。

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