看護師の管理職(役職)は何があるの?~看護主任編 ~

看護師としてのキャリアを考えたときに、役職や仕事内容が気になったことはありませんか? またどんな役職があるのか、お給料がどのくらいアップするのかなどなど、当コラムでは解説いたします。

看護師の3つの管理職(役職)

まず看護師の役職とは、いわゆる管理職のことです。 管理職には「看護部長(総看護師長)」、「看護師長」、「看護主任」の3つの役職が主にあります。大きな医療施設では、これらの管理者が配置されています。 上の役職から順に看護部長(総看護師長)の下に看護副部長が配置されており、さらに各病棟などの看護師長・副看護師長、看護主任がいます。

管理職になると業務の対象が、患者さんから看護師が所属している「看護部」の組織をまとめる役割も担うようになり、昇格するにつれて看護業務のほかに行う業務の重要性や求められる役割が増えていきます。もちろん、病院経営という観点からも重要な人材なのは間違いありません。

看護師の3つの管理職(役職)

なぜ、管理職が必要なのか

なぜ看護師にも管理職が必要なのかは、一般的な会社を例えて想像すればなんとなくわかるかと思います。

例えば従業員の多い会社の役職でいえば、代表取締役社長、部長、課長、主任などの管理職が存在します。
従業員の多い会社を代表取締役社長1人だけで統率することは非常に困難です。もし代表取締役社長1人のみで、全従業員を統率したとしても全体に目が行き届かなくなり、運営に支障をきたすことが予想できます。

大きな医療施設も同じです。病院長1人で統率するのは運営に支障をきたし、質のいい医療サービスの提供も困難になります。

なぜ、管理職が必要なのか

そのため、看護職員も少人数のチームをひとまとまりとし、そのまたチームの管理者を上の役職の管理者がまとめて、というようにピラミッドの形に束ねていけば、管理者同士の連携を取り合うことも可能で、1人で統率するよりも効率的です。

管理職の必要性がなんとなく理解できたかと思います。次は看護主任の役割と業務内容、お給料について解説していきます。

看護主任

スタッフ看護師の一段上にあたる管理職が、看護主任です。
いわゆる中間管理職の役割を持っており、患者さんのケアだけでなく看護職員の管理とサポートも行うポジションになります。

看護主任の役割

看護主任の役割は大きく2つあります。
いわゆる中間管理職の役割を持っており、患者さんのケアだけでなく看護職員の管理とサポートも行うポジションになります。

1つ目は、看護業務全般の管理です。
看護職員のシフト作成や管理、患者さんの病床使用状況の管理を行います。また危機管理やヒヤリハットの把握し、減少するよう努めます。より安全で最善の看護が行えるように、病棟内の問題点を提起・改善を図ることも役割です。

2つ目は看護職員から相談・指導、看護師長の補佐です。
看護職員から相談を受ける・指導をする役割のほか、看護師長や他の看護主任との連携などがあります。レポートの作成や看護計画の確認も同時に行います。

看護主任になるには

看護主任になるために必要な資格は特にありません。たいだいの医療機関では看護師として10年以上勤務があり、能力と実績を認められることで昇格することが多いです。規模の小さな医療機関や能力と実績次第では10年未満でも昇格する場合もあるようです。
10年以上の看護師としての経験を積まれている場合であっても、残念ながら誰でも看護主任になれるというわけではありません。
看護主任には必要な能力は、リーダーシップ、マネジメント能力、広い視野です。まずスタッフ看護師の相談や指導、サポートを行うためリーダーシップ。次に看護業務全般の管理を行うにあたり、マネジメント能力も必要です。そして、日々患者さまのケアを遂行しつつ、解決すべき課題や改善点を把握できる視野もあるとよいでしょう。
リーダーシップやマネジメント能力、広い視野は、看護主任だけではなく、看護師長や看護部長にも必要な能力でもあります。

看護主任のお給料・手当

管理職という立場になるため、お給料が大幅に増えると思われがちですが、それほど増えるわけではありません。だいたいの医療施設では「役職手当」と「管理当直」が基本給に加算せされる形になります。

役職手当 平均 27,894 円
管理当直 平均 7,738 円

[引用]公益社団法人 日本看護協会 「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書」より

役職手当や管理当直などは少なく感じますが、看護師は基本給が勤続年数でアップしていくことが多いため、平均年収でみるとスタッフ看護師よりもわずかに多いか、ほぼ同じくらいと考えていいでしょう。
看護主任になると夜勤の回数が大きく減る、管理当直がない医療施設も中にはあるので、スタッフ看護師の時より収入が少なくなる方もいるようです。

本コラムでは看護師の管理職の概要と看護主任について解説しました。
看護主任は看護師の成長や病棟や施設全体の看護の質の向上に携われるため、やりがいを感じる場面も多いでしょう。看護主任に昇格することで大きく成長できる経験を積むことができ、その先の看護師長や看護部長への昇格に繋がる役職ですので、機会があれば臆せず挑戦してみることをおすすめします。
「看護部長(総看護師長)」、「看護師長」の役割やお給料・手当について、次回はご紹介いたします。


nas nus(ナスナス)は看護師・看護学生のための就職情報サイトです。
求人は総合病院や大学病院などの種類や規模などを指定して検索できます。

ほかにも、求人だけでなく、コラムやイベント情報、電子パンフレットなど就職に役立つ情報をたくさん掲載していますので、以下のサイトからぜひご覧ください。

https://www.nasnus.com