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ナースナースインタビュー Vol.34 〜熊本地震を通して〜自分たちに何ができるのか、考え続けていました|熊本労災病院

2016年4月に発生した熊本地震にDMATとして出動された村田さんと、病院で対応にあたった橋本さんのインタビュー。 「今までに経験がなかった」という震災に向き合ったお二人が今思うこととは?
震災当日の様子から、その後の体制づくりまでリアルなメッセージです。

―熊本震災時にDMATとして出動されたと伺いました。具体的にどのような活動を?

熊本労災病院

村田:2016年4月14日21:26に前震と呼ばれる地震が発生し、熊本県よりDMAT派遣要請を受け1回目の出動をしました。基幹災害拠点病院に集合し指示を受け、震源地域周辺の病院や家屋等の被災状況の確認を行いました。翌朝、透析が出来なくなった病院の入院患者さん6名を熊本市内の病院に自衛隊の車両を使って搬送しました。ミッションを終え帰還し、4月16日00:10に本震と呼ばれる地震がありました。すぐに病院へ向かい朝9時頃まで病院内に待機し帰宅しました。その後夕方に救急外来が多忙な為、呼び出しを受け出勤しました。

DMAT隊員は、DMAT本部から発信される災害情報等を得る事ができる「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」という情報共有ツールに個別に登録しています。そのEMISでDMAT派遣要請があり2回目の出動を行いました。基幹災害拠点病院へ集合し、熊本市内の救命救急センターの業務補完の指示があり、病院スタッフの方々と協働しながらトリアージ(患者の緊急度・重症度に基づいて治療や搬送の優先度を決定すること)を行いました。朝を迎え熊本市内の病院に連絡が取れない所があるので確認するよう指示があり、被災状況の確認を終えミッションが終わりました。今回の地震でDMATとして2回出動しました。

―とてもハードですね。

村田:僕がDMATとして実際に活動をするのは初めてでした。前震が発生してからの1週間は休息が取れていなかったというのもありますが、正直記憶が曖昧な部分が多いです‥・。

―実際の現場の状況は?

村田:震源地の町役場にはたくさんの避難者の方々がいらっしゃって、その中で余震が頻回にあり悲鳴と怒号が飛び交う現場でした。「実際にここで自分たちに何ができるのか」と戸惑いながら考えていましたね。 被災者の方に直接関わったのは停電して車の中に避難されていた方々でした。周囲には倒壊した家屋などもあり、翌朝家屋を確認したら閉じ込められている方々が沢山いらっしゃって、消防等へ救助の依頼を行いました。

―活動される中、支えになったものや気力になったものはありますか?

村田:そうですね…。僕自身も同じ県内に住む被災者でありましたが、震源に近い地域では多大な被害がありました。「被災者の方々の負担にならず、自分達にできる事は何か」という思いが強くありました。そして心が折れそうな時、家族や周囲の方々が支えてくれました。

―熊本労災病院での様子は?

橋本:僕は前震も本震も院内で夜勤の勤務中でした。ICUに異動したばかりのときに震災が起きたのですが、院内で既存の災害対策マニュアルを見て対応しました。マニュアルの動き方や対応方法が具体的に書かれていないことがあり、課題と感じました。 実際には数分・数十分だったと思いますが、体感的にとても長くて。その時間帯で患者さんをどうしたらよいのかなど安全確保の面で混乱が生じました。 その中で、院内が安全なのかどうなのか、連絡がくるまで時間がかかりますし、ICUで患者さんを看護しながら「このままここで大丈夫なのか」という不安もありました。

―今振り返ってみて、震災後変わられた部分がありますか?

橋本:震災があった瞬間、なかなか動き出しができませんでした。現在はDMAT隊員が中心になって災害対策マニュアルを見直し、スタッフが具体的に対応できるようにアクションカードも作成しました。ポケットに入るサイズでチェックリスト方式の、具体的な対応方法が書いてあるものです。作成したアクションカードやマニュアルも活用できるものでなければ意味がないので、災害訓練等を通じて検証をしていきたいと思います。そして少しずつでもいつ起こるか分からない災害に備え、災害対応の整備をできたらと思います。

村田:実際に震災を受けマニュアルや研修等課題は多々ありましたが、現場で支援者として活動した後が正直辛かったです。僕自身燃え尽きてしまった気がしました。その為、被災者はもちろん支援者に対するケアもDMATを所有する災害拠点病院として考えていかなければいけないと感じましたね。今回の経験を無駄にしないよう様々な方々と協働しながら、拠点病院としての機能向上に微力ながら努めていきたいと思います。



手元に当日の資料を置きながら、思い出すように淡々とお話してくれた熊本労災病院のお二人。実際に現場にいたからこそ見えてくる課題が多く、いつ起こるか分からない次の「もしも」へ備え、すでに視点は「その先」を見据えています。実はインタビューの翌日も災害訓練が!病院全体をあげ活動に力を入れ、ベースを上げていきたい!という思いが随所に伝わるお二人でした。
インタビュアー:久門



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