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ナースナースインタビュー Vol.18 その人の「生き方」を一緒に考える|市立伊丹病院 看護部長 江木洋子

相乗効果のある仕事

看護師ってホントに人間性豊かな仕事です。
人を相手にする仕事だけれど、看護するのは元気で健康な人ではなく、いつもと違った状態、何か病気になってしまったり障害を負った方です。いつもと違う状況に気持ちも落ち込んでらっしゃると病気に対する戦い方は難しくなります。それをサポート・支援するのが看護という仕事だと思います。 そして支援することで患者・家族さんから「ありがとう」という言葉を頂ける、逆にこちらも元気をいただける相乗効果のある仕事でもあります。 看護師になりたてのころはそんな嬉しいこと悲しいことの繰り返しに、一喜一憂しながら仕事をしていると思います。

「寄り添う」ためには人生経験も必要

市立伊丹病院 看護部長

看護部理念である「寄り添う看護」とはただ寄り添うことではありません。看護師としての実践と学びが必要です。その経験を生かし、その患者さんのもてる力を引き出していけるようサポートしていくことが私たちの役割だと思っています。常に患者さんの近くにいる看護師の力はジェネラリストとしてとても大切です。また、専門看護師、認定看護師もさらに看護の質を深めてくれる役割を担っています。 当院には認定看護師が10名います。感染管理認定看護師3名、皮膚・排泄ケア認定看護師2名、摂食嚥下認定看護師1名、がん化学療法認定看護師2名、がん性疼痛看護認定看護師1名、緩和ケア認定看護師1名です。当院は兵庫県指定がん拠点支援病院です。そのため、がん相談を認定看護師が中心になり受けています。がん治療に関して患者さん、ご家族から様々な相談を受けています。治療の内容ではなく、医療費の支払いや生命保険のことを相談されることもあるんです。医療者側はお金のことを念頭に置かずに話してしまうことが多いですが、患者さんにとっては切実な問題です。治療以外の悩みは専門知識だけでなく、これまでの人生経験も必要になったりしているようです。患者さんに寄り添うことは、医療者の側面だけではなく、いろいろな知識、経験も大切ですね。

その人の生き方を一緒に考える

市立伊丹病院 看護部長

当院は急性期病院で平均在日数は13日。つまり約2週間弱で患者さんのことを知らないといけないわけです。この病院を退院した後どのような生活が待っているのか。ご本人とご家族で希望が違っていた場合など、双方が納得できるように橋渡しをすることも看護師の大切な仕事です。 私が臨床の現場にいたころ、人工呼吸器をつけ体を動かすことができない患者さんを受け持つ機会がありました。もうこれ以上の進行は無いだろう、という医師の診断結果が出され、次に考えるのは「では、これから自宅に帰れるのかどうなのか」ということ。その方はまだお若かったですし、将来のことを考え家に帰る方法はないか、ご家族の方とも話し合いを重ねました。結果、なんとしてもご自宅に戻れるようにして差し上げよう!みんなで頑張ろう!!ということなりました。
落ち込んでらっしゃる気持ちを変えるため、医師の許可を得てベッドごと外に行って外の空気を吸ってもらう。そこからはじめました。今日はコレが食べられた、いつもより声が出せた、そんなひとつひとつの変化をご家族と一緒に感動しながら進めていきました。その積み重ねがご本人とご家族の自信になり、3ヶ月ほどかかりましたが無事ご自宅に帰ることができました。
医師、看護師、患者さん、ご家族と一緒に目標を持って取り組んだ結果です。病院に入院している間の治療の補助だけでなく、患者さんが生きてきた背景と退院後の生活を見据えながら支援をしていくこと、それが私たち看護師の役割であることを実感しました。 人は、病気になってしまうと落ち込んだり、攻撃的になってしまう方も当たり前に多くいらっしゃいます。けれどある瞬間から人の気持ちというのは変わるんです。人間は弱く繊細ですが、強くもあるのです。私たち看護師が誠意を持って患者さんと接することで、患者さんも私たちのことを信頼してくださるのですね。

繰り返し見直せる「スパイラル研修」

現在市立伊丹病院では安心安全信頼のある医療をめざし、病院を挙げて医師、看護師の教育に力を入れています。 研修を受けたから、すぐになんでもできるものではありません。看護部では、看護実践を振り返って足りない部分があれば繰り返し身につけていくことができるようにと「スパイラル研修」を3年前から実施しています。 そして来年度には、誰でもが利用可能な研修センターも完成予定です。新人の方、ブランクのある方にも気軽に看護技術の見直しをしていただけます。 また心の面でサポートする臨床心理士によるカウンセリングも受けられるようにしています。 はじめから看護師という仕事のすべてをひとりでできるわけではありません。準備された環境は十分に利用し、学習し、看護の仕事が少しでも早くできるようにと願っています。

自分の中の看護師像を持ち続ける

こんな看護師になりたい・・・という理想像って誰にでもあるでしょう? 看護師になりたいと思うきっかけは、人それぞれです。例えば自分や家族が入院する経験や、テレビ、本などの情報から得たもので理想像が作られたのではないでしょうか。 しかし、いざ現場に出ると理想とは違った現実が待っています。いろんな看護場面で自己の能力を思い知らされます。落ち込むことがほとんどですね。 それでも頑張れるのは、看護師になることを決めたときの信念があるからだと思います。自分の知らないことだらけなのですから、ひとつひとつ学んでいくしか方法はありません。そして、患者さんとの出会い、先輩や仲間との出会い、いろんな経験を重ね成長していくのです。 経験を積むことで、自分の行っている看護に少しずつ自信を持てるようになり、数年後には明るい表情で看護を熱く語っている成長した看護師たちの姿をこれまで何人も見てきました。そんな姿を見ることができると、わが子のことのように本当に嬉しいです。その時にもう一度、自分の看護師像を考えることができるのではないでしょうか。自分の中の看護師像は是非持ち続けて欲しいです。

初めてお会いしたときから、インタビュー中もずっと優しく包み込んでくださるような雰囲気をお持ちの江木看護部長。看護部の方々も皆さん笑顔が素敵だったことがとても印象に残っています。 研修センターの立ち上げやスペシャリストの育成など、積極的な取り組みをしてらっしゃる反面、スパイラル研修やメンタル面のフォローなどスタッフひとりひとりを大切にサポートする体制も整っている。 そんな環境だからこその皆さんの「笑顔」なのだと感じました。 安心して看護師として仕事を続けていきたい、そんな方にぴったりの病院ではないでしょうか。
インタビュアー:安井



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