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ナースナースインタビュー Vol.9 管理職の立場から看護・教育を考える|医療法人マックシール 副院長

看護師としてスタートしたあの頃

看護師になったきっかけは何ですか?

看護部長・原英樹 副院長・中谷茂子

原看護部長(以下、原氏)「正直言いますと、知人の看護師さんを見て、収入が多くて仕事も楽そうだなぁと思ったのがきっかけです。現実は理想とは全然違いましたが(笑)。最初、男は看護師になれないと思っていたのですが、なれるよと聞いて、じゃあなろう!って。ところがいざ看護師になってみると、知識や技術がなければ何もできないし、責任もある。特に最初に勤めた病院は『分からないやつは患者に触れるな』くらいの勢いでした。本を10冊ほど渡され、『勉強してこい。全部覚えたら仕事に出てこい』と。私はこんな性格ですから『やってやろうやないか』と必死で勉強しましたね。だからこそ今の自分があるとも思っています。

中谷副院長(以下、中谷氏)「私は手に何か職をつけたいという気持ちが始まりですね。母も学校の教師でしたし、6番目の末っ子だった私は『何か資格を持たなければ』と思い看護学校に進学しました。もともと世話好きな性格なので、看護師という仕事は自分に向いているとも思っていました。今と違って昔は学生の時から色々経験させてもらえたので、実際に看護師として現場に出た時のリアリティショックなんかはありませんでしたね。」

お二人は看護師としての経歴も長いですが、その中で看護師を辞めたいと思った時期はありましたか?

副院長・中谷茂子

原氏「よくあります(笑)。でもそう考えても頭と心は違うんですよね。管理職となった今は、スタッフを見捨てるわけにはいかないですし。上司である私が落ち込んだりしていたら、部下に悪影響を及ぼします。何があってもスタッフのために一歩ずつ前へ・・・という感じでしょうか。どこの病院の管理職の方も同じだと思います。辛いことがあってもついてきてくれるスタッフや仲間がいるから頑張れるんです。」

中谷氏「例え大変なことがあっても、最終的にはやっぱり看護が好き、人が好き、工夫するのが好きですから、辞めたいと思ったことはありません。私たち管理職が元気でないとダメですからね。常に前を見て歩こうと思っています。」

では、看護師になってよかったと思う時はどんな時ですか?

原氏「今となっては自分自身のことよりも、自分が関わったスタッフや部下が一人前に成長した姿を見た時に、良かったなぁと思いますね。患者さんに『あの子いいね』とスタッフが褒められたりした時に、自分のことのように嬉しくなるんです。」

中谷氏「私は常に周りの人に恵まれてきましたから、何かあってもサポートしてくれる人たちがいてくれると、良かったなぁと思います。看護が大好きですし、仕事が嫌になることもありませんね。」

管理職の立場から思うこと

管理職として採用にも関わっていらっしゃるお二人ですが、どんな人が看護師に向いていると思いますか?

原氏「患者さんのことを想う気持ちを持てる人ですね。医療技術が進歩した今は、科学的根拠に基づく看護も必要ですが、患者さんの横に座って、何を感じて、何をしてあげたいと思うのか、そんな気持ちが大切だと思います。ナイチンゲールの時代にあったように、戦場で傷ついた人たちの体をさすり、いたわり、心の支えとなってあげていたのが、今でも変わらぬ看護という仕事の原点ではないでしょうか。」

中谷氏「原部長の言う通り、相手を思いやる心を持てる人に看護師になってほしいですね。それは患者さんに対してだけではなく、スタッフ同士の思いやりも大切だと思います。」

管理職になり部下を育成する立場になって感じていることは何かありますか?

看護部長・原英樹 副院長・中谷茂子

原氏「非常にむず痒い思いをたくさんします(笑)。答えが分かっていても、すぐに教えていてはスタッフのためにならないし、スタッフ自身が考えて気づくまでじーっと我慢して待つ・・・。育てるというのは非常に時間がかかるんですよ。このむず痒い思いが“教育”の第一歩だと思います。私が考える教育とは、一方的に与えるものではなく、教育を受ける側が自発的に学ぼうとして初めてこちらがそのお手伝いをするものなんです。自分で考えて体感しなければ、身に付かないですから。」
中谷氏「私は現場のスタッフが自分に何を求めているかを常に意識していますね。そしてスタッフが管理職である私たちにすぐ相談できる雰囲気を作るよう努めています。患者さんやスタッフの様子を見て声をかけながら歩きまわり、何か相談があればすぐに時間を割くようにします。私たちの役目は、スタッフが働きやすい職場を作ることだと思っていますから。」

原氏「以前、『上司は部下を選び、気に入らなかったら異動させることもできるけれど、部下は上司を選べない』と部下に言われたことがあります。この言葉はずっと忘れられませんね。だからこそ『この上司でよかった』と思ってもらえるような上司であるよう、努力し続けるべきだと思っています。」

現場のスタッフの意欲を引き出すために管理職として具体的に実践していることは何ですか?

副院長・中谷茂子

原氏「一番大切なのは“声かけ”です。面談も必要に応じて行いますが、日常的に声かけをしていると、スタッフがなかなか相談できずに抱えている悩みを引き出すことができ、それを解決することもできます。あとはもちろん教育も大事ですが、一方的に『勉強しろ』と押し付けるのではなく、スタッフ自身が興味を持ったことや学びたいことがあれば『○○の学会に行ってみては』などと提案し、自ら学んでいこうとするスタッフのサポートをするようにしています。」

中谷氏「そうですね、研修もたくさん行かせたりしていますし、学会発表も必ず行います。学んだことが即、現場に活かされるかというとなかなか難しいですが、研修を終えると本人に達成感が生まれますし、それが看護師としての下地になるのだと思います。そして自分の役割を明確にして、自分は人の役に立っているんだと実感することで、さらにモチベーションが上がるのではないでしょうか。」

急性期から療養へ一貫した医療を提供しているのが貴院の特徴ですね?

原氏「当院に入職してくる看護師は年齢も経験も様々ですし、特に若い看護師の中には、将来の進むべき道や自分の本当にやりたいことがまだ見えていない方もたくさんいます。当院では例えば、急性期で何年か勤めたあと回復期での経験も積んでいただいたりしながら、将来目指す道へ一歩ずつ歩んでもらっています。このように同じ組織内で様々な経験ができるのは、当院の強みだと思っています。」

中谷氏「当院の医療は急性期から在宅まで幅広いので、様々なステップアップの機会を提供することができるんです。色々経験することによって、本人が気付かなかった能力ややりたいことが引き出されることもあるんですよ。また、結婚や出産などで勤務時間に制約ができたりなど、勤務条件が変わったりしても、その人らしい看護の道を歩んで頂けるよう柔軟に対応しています。」

男性の看護部長として

原看護部長は男性ですが、まだまだ男性が少ない看護師の世界でやりにくいと感じることはありますか?

看護部長・原英樹

原氏「これは私の独特の性格なのか、やりにくいともなんとも思わないんですよ。時々採用面接などで、『え、男性の看護部長ですか?』と驚かれることはよくありますけれど。しかしよく看護部長のイメージでありがちな“難しい顔をして勤務表とにらめっこしている”タイプではないですから、その点では安心する方もいるのではないでしょうか(笑)。細かいことよりも、来年は自分自身どうあるべきか、とか、今の為替相場はどうなっているか、などとスタッフに問いたりします。一人前の看護師になるために医療経済の状況や社会全体の流れを分かっておくことは当然だと思っていますから。」

中谷氏「原看護部長と私は全く違うタイプだからうまくいくと思いますね。男性だから、ということではないかもしれませんが、原部長の目標設定や戦略の立て方は看護の世界では独特で、あまりいないタイプだと思います。私はどちらかというと現場で患者さんやスタッフと関わりながらその場その場で考えていくタイプなので(笑)。お互いにない部分を持ち合わせているからこそそれぞれの役割があって、フォローし合えるのだと思います。」

原氏「そういえば20年前、師長になった時の師長会で数値に基づく意見を言った時に、『あなたは変だ』と言われましたね(笑)。『看護は感覚なのよ』って。今や看護協会でも数的な感覚やデータに基づく看護も重要視されるようになりましたが・・・。特に私は長年ICUにいましたから、データや数値に基づいて患者さんの像を描き、先回りしてどういう手を打つかということをずっと考えてきました。何か起こってから対応する、というのは誰でもできますからね。危機管理が大切だと思うんです。」

後輩へのメッセージ

日々お忙しくされているお二人ですが、ストレスの発散方法や趣味は何かありますか?

原氏「見ての通り日焼けしているので、いつも遊んでばっかりと思われているかもしれませんね(笑)。ゴルフは好きなので、たまに行きます。そして夏場は毎週子供と市民プールに出かけていますね。」

中谷氏「仕事が好きなのでストレスはあまりたまらないのですが・・・。休日はフラダンスをやったり美術館に出かけたり、仕事も休日も思いっきり楽しむようにしていますね。」

今看護師として頑張っている方や、これから看護師を目指す方々へのメッセージをお願いします。

副院長・中谷茂子

中谷氏「看護師という仕事を選ぶのは、もともと“人が好き”だからだと思います。看護師になって例え仕事が大変な時でも、“人が好き”ということを忘れないでほしいですね。」

原氏「私たちの仕事は、社会で唯一“モノ”を扱わない仕事だと思っています。人・心・命という、つかみようのないものを扱うからこそ、思いやる心の大切さを失わないでほしいです。」



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