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ナースナースインタビュー Vol.7 理想の看護、理想の病院目指して 有澤総合病院 看護部長

「看護部長になるなんて思っていませんでした」

赤間さんが看護部長になられた経緯を教えてください。

透析での経験は20年と長かったのですが、正直なところ一般病棟の経験は少なく、当初はまさか私が看護部長になるなんて思ってもいませんでした。ところが今は亡き院長が「是非看護部長になってくれ。君を看護部長にするのが僕の夢だった」と言ってくださり、初めは躊躇していたのですが、透析以外を学ぶ良い機会だと決心して就任することに。私より年上でベテランの師長さんもおられ、まだ自分が看護部長になるのは早いのではないかという不安やプレッシャーもありましたが、今は周りに支えられながら頑張っています。

師長さんとの関係や師長教育についてはどう取り組んでいますか?

看護師・赤間由起子

月1回の師長会議では、なるべくゆっくり話を聞いて、問題点や不安に感じているところを解消するようにしています。スタッフからも師長についてどう感じているのかこっそり聞いたりするんですよ。その中で、責任感が強く一人で抱え込みすぎる師長を心配する声が上がってきたりすると、スタッフの師長を気遣う気持ちに嬉しく思います。各部署の師長それぞれに個性がありますが、不思議とスタッフが師長と同じ事を言っている場面に遭遇するんです。スタッフは師長の悩みや苦しみを共感したいと考えているので、師長にはもっとスタッフに心を開き、様々な問題提起をして一緒に考えていくようにとアドバイスをしています。看護部や各部署を変革するには、師長の意識改革が大切だと痛感していますから。

「看護部長として仲間に求める要素」

師長さんに求めることは何ですか?

看護師・赤間由起子

やはりスタッフのことを思いやって行動できることですね。かといってただ優しいだけではなく、時には厳しく注意をしたり、指導しなければなりません。看護部長の私もそうですが、管理職というのは、正しいことをはっきり的確に伝える能力が必要だと思います。あと、管理職の立場であれば経営のこともある程度視野に入れる必要がありますね。病院の経営が成り立たなければ私たちも患者さんに良い看護は提供できませんから。けれども本来看護というのは経営とは結びつけがたい職なので、その辺りのバランスはとても難しいのですが・・・。

では、スタッフに求める要素はどんなものですか?

きちんとした接遇とマナーはとても重要ですね。あとは、明るい笑顔。そして、的確に判断し自分の思いや考えをはっきり伝えられるスタッフは優秀な人材だと思います。私もスタッフと色々話をすることで気付かされることがたくさんあるんです。だから何か問題があった時などは必ず全員から話を聞くようにしていますね。先入観で物事を見ず、色々な意見や考えを理解し問題を解決していくのが、看護部長である私の役目だと思っています。

「教育・指導をきっちりと」

新人看護師の教育はどのように行っていますか?

新人ナースと先輩たち

まだ当院では新卒の看護師を大量に採用したことはなく、今も少人数の新卒さんをみんなで手取り足取り大切に教育している状況です。けれども今後さらに若い人たちにたくさん活躍していただきたいので、教育システムを整えることは早急な課題だと思っています。以前新人さんから「この病院に就職して良かった」と言われとても嬉しかったんですよ。今後もそのように言ってもらえる教育体制と勤務環境を整えていきたいですね。
*写真は新人ナースと先輩たち

業務上の問題解決はどのようにされていますか?

リスク報告書をもとに改善を図ったりしていますね。ところが、リスク報告書は始末書だと思って敬遠している人がとても多いんです。けれども私はどんどん書くべきだと思っています。リスク報告書を作成するということは問題意識があるということなので、叱るのではなく「書いてくれてありがとう」と褒めるようにしていますね。逆に、報告書を出さない部署には必ず問題が起きたりするんですよ。そうならないためにも、率先して自主的に報告してくれるような環境作りをしていきたいと思っています。またリスク報告書を出すことで、時にはドクターの意識も変えることができ、組織横断的に皆で協力して問題点を改善していこうとする良い流れができるんです。

「心細やかな看護とは」

いわゆる「クレーマー患者さん」にはどのように対応していらっしゃいますか?

看護師・赤間由起子

もちろん時には気難しい患者さんもいらっしゃいます。けれども心細やかな看護をすることで、不思議とナースコールの回数やクレームを減らすことができるんですよ。例えば、体位変換の要求があった時に、それだけを済ませるのではなく、飲み物はあるか、トイレは大丈夫かなど、他の細かいところにも気づき患者さんの表情を見ます。もし忙しい状況であれば「あと10分だけ待って下さいね」などと説明し、自分に余裕が出来たらその患者さんにじっくりと向き合って対応すると、患者さんも理解してくれると思うんです。看護は人相手のお仕事なので、効率だけを優先すると患者さんの不満や不安を煽り、それがクレームや頻繁なナースコールに繋がると思うんです。真心をこめると患者さんは必ず納得してくださり、納得をすると無理はおっしゃらなくなるんですよ。

赤間看護部長が考える「理想の看護」とはどんなものですか?

「理想の看護」を一言で表すのは難しいですね。人によって看護観も違って当たり前で、どれが間違いとかではなく、どれも正しいんです。その中であえて言うなら、「患者さんの気持ちを第一に考えて、その人がその人らしく生きられるよう必要なところをサポートしていく」のが理想の看護かもしれません。強制的ではなく、放ったらかしでもなく、患者さんの意思を尊重しながら残存能力を最大限に引き出してあげる。時には教科書通りではない対応も必要になってくるかと思います。
また、細かい気遣いも大切です。ある朝、ベッドの上で何日も塞ぎ込んでいた患者さんに、「これでお顔を拭いたら気持ちがいいよ」とホカホカに温めたタオルを渡してあげたんです。すると、そのタオルで顔を拭いた途端患者さんの顔が急に晴れやかになって、その後「1本の温かいタオルで生きる気力が湧きました」という感謝のお手紙をいただいてびっくりしたことがあります。些細な行為でも気持ちが通じれば、患者さんを救うこともあるんだということに気付かされた出来事でしたね。

「看護部長になってみて」

看護部長になってみて思うことは何かありますか?

看護師・赤間由起子

看護部長やその他管理職は、孤独で辛い思いをしなければならない立場だと思っています。今でも時々、もっと現場に出たいなと思ったりもするんですよ。けれども看護部長というのは、看護に集中するだけではなく、経営効率や全体の管理も考えなければいけません。そして優しいだけでは勤まらず、時には師長やスタッフに対して、間違いや問題点を的確に指摘しなければいけません。意見の食い違いや誤解などで、言い合うこともありますね。でもその後はお互い理解し合って、さらに仲良くなったりします。スタッフだけではなく、医師やその他の職員みんなが仲の良いのがこの病院の自慢なんですよ。様々な問題で頭を悩ませた時期もあるけれど、今は院長が掲げるヴィジョンに共感し、皆で協力し合って理想の病院に一歩ずつ近づいている、そんな感じですね。



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