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ナースナースインタビュー Vol.30 看護はやっぱり楽しい|日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 看護部長 若林 稲美

―看護をする上で大切にしていることはなんですか?

看護はいろんな患者さんやそのご家族、急性期からターミナル期まで、様々な場面に寄り添うことになります。その中で、患者さん自身が自分らしく生きられるようにケアを行っていければと思っています。
また楽しくいきいきと仕事がしたいです。働く側としても満足しながら納得しながらケアを行っていけることが理想ですね。

―思い出に残っているエピソードを教えてください。

日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 看護部長

若い患者さんで腎不全を患っていた方がいました。いろんな民間療法を試してみても悪くなる一方で「もう死んでもいい」とまで思ったそうですが、やっとの思いで人工透析を受けることに決意されました。
慢性期の病気を抱えながらこれからの長い人生を生きていこうと、自分でいろんなことを考えながら納得して選んだことが素晴らしいです。こういう話を患者さんからいっぱい聞いて学ぶことも多かったですし、看護はやっぱり楽しいです。
また師長や教育担当を長くやってきましたが、人と関わるのは難しいですね。若いスタッフに対して「どうして分かってくれないんだろう、何とか変わってくれないか」と一生懸命話をしたこともありましたが、ある時気づきました。 人はすぐには変えられない。今は分からないかもしれないけれど、いつか「昔こんなこと言われたな」と思ってくれたら嬉しい。そこで何かに気づき変わっていってくれればいい。
それからは相手のことも自分のことも責めなくなりました。あまり焦らずにその人に合ったポジションや仕事を見つけていければいいですね。
今はストライクゾーンが広いとよく言われます。

―生まれ変わっても看護師という職業を選びますか?

どうでしょうね。 病院内でも医師と看護師では立場が違いますが、看護ももう少し裁量権があればと思います。いろいろ調整していい方向にもっていける点では私たちのほうがやりがいがあると思っています。

―看護師の先輩として看護師を目指す学生に伝えたいことはなんですか?

人に感謝されることを生業としてやっていける仕事です。 医療の現場で厳しいところは当然ありますが、個々の患者さんに真剣に向き合って、それが自分にかえってくる、人間は素晴らしいということをこんなに身近に感じることができる仕事はないんじゃないでしょうか。 また看護師は病院だけでなく、訪問、大学講師、会社の医務室、保育園などいろんな場所で必要とされる職業ですのでやりがいも出てきます。 石の上にも三年で辛いこともあるけれど、ちょっと頑張ってみれば必ず道は開けてきます。

―学生におすすめする本や映画を教えてください。

・キリング・フィールド
カンボジアの内戦について描かれた作品で、戦争の悲惨さが伝わってきます。赤十字のことを学ぶのにおすすめです。

ケアの社会学(三井さよ著)
社会学者が看護師にインタビューをしてまとめた作品です。新人さんより、看護に何年か関わった方におすすめです。

ケアの向こう側(ダニエル F. チャンブリス 著)
看護師の抱えるジレンマが描かれています。

―病院内のお気に入りの場所を教えてください。

武蔵野赤十字病院

昭和56年に建った1番館にあるナイチンゲールのステンドグラス(芹澤げ雕遏砲如∪崕住本社に寄贈されたものだそうです。
元々切り絵が専門の作家で、ナイチンゲールのステンドグラス作品は珍しいそうですよ。

―お休みの日はどのように過ごしていますか?

中学高校と軟式テニスをやっていたこともあり、病院のソフトテニスクラブに所属していて数年前には試合にも出場しました。 現在は地元のクラブに参加していますし、ジム通いもしています。日常の仕事では頭を使ってばかりですので、体を動かしてリフレッシュしています。

―看護師が定着する職場作りに必要な事や取り組まれていることを教えてください。

大阪発達総合療育センター

今の教育体制は年数をかけて丁寧に作ってきました。1年間を通して技術だけではなくメンタルヘルスもカバーしていますので自信を持っています。
部長と1スタッフとではどうしても距離が出来てしまうので、顏を合わすときにはなるべく声をかけるようにしています。3年目の他部署研修が終了したら、全員部長面接を行うのですが、ちょっと慣れてきてこれから悩んだりする頃ですので、生の声を聞くことで少しでも手助けが出来ればと思っています。
実際にスタッフが働く部署で、師長たちにはいつも「あなたたちが要だ」と言っています。師長たちが元気に楽しく仕事が出来るようにするのが私の役目ですので、良いことはどんどんフィードバックしています。
部長に就任して以来、毎年2回看護部長講話を行っていて、毎回100人ほどの参加があります。やっていくうちに話し方にも慣れてきましたし、その時その時に伝えたいことを盛り込んでいけるようになりました。
世の中の大きな流れの中でこの病院があり、自分の仕事があるということを社会人とし知ってほしいですし、組織の中で自分なりの働き方を見つけてほしいです。直に話をする機会として、病院にいる間は続けていこうと思っています。

終始笑顔でインタビューに応じてくださった若林看護部長。 自分の仕事を楽しいと思える、ポジティブでエネルギッシュなその姿勢は、 同じ女性としてとても励みになりましたし、たくさんのパワーをいただきました。 みなさんもぜひ、病院見学会やインターンシップで、病院の明るい雰囲気を 感じてみてください。
インタビュアー:中村



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